【犬の健康】飼い主の急性ストレス時に分泌されるコルチゾール関連揮発性化合物を犬が検出した際の接近・接触行動の増加メカニズム
愛犬はあなたの「ストレス臭」を嗅いでいる——科学が解き明かした、犬が寄り添う本当の理由 仕事や人間関係で疲れ果てて帰宅したとき、なぜか愛犬がいつも以上にぴったり寄り添ってくることはありませんか?「気のせいかな」と思っていたその感覚、実は最新科学によって裏付けられた驚くべきメカニズムだったのです。 犬はあなたの表情や声のトーンを読み取るだけでなく、目に見えない「ストレスの匂い」を鼻で感知し、それに応じて行動を変えていることが次々と明らかになっています。今回は、このすごい仕組みを飼い主さんにもわかりやすくお伝えします。 そもそも「ストレス臭」って何?コルチゾールとVOCの関係 ストレスを感じると、私たちの体では「コルチゾール」と呼ばれるホルモンが分泌されます。コルチゾールは「ストレスホルモン」とも呼ばれ、 恐怖や不安を感じる状況で分泌され、体内を循環しながら様々な生理反応を引き起こすホルモン です。 しかし、犬が感知しているのはコルチゾールだけではありません。ストレス状態になると私たちの体は「揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)」と呼ばれる微細な化学物質を変化させます。 人間の体細胞は揮発性有機化合物(VOC)を放出していて、それが呼気や皮膚から発散されます。VOCのプロファイルの違いは、体内の生理的変化のサインになります。 ストレス時の人間のVOCプロファイルを研究する上で、呼気と汗が最も注目されてきました。 つまり、あなたが緊張しているとき、深呼吸のたびに吐き出している息や、じんわりにじむ汗の成分が、平常時とは異なるものになっているということです。 犬の嗅覚はどれほど優れているのか この微細な変化を検知できるのが、犬の驚異的な嗅覚です。 犬の嗅覚細胞(においを感じる細胞)の数は2億〜30億個とも言われており、人間の嗅覚細胞が約500万個であることと比較すると、圧倒的な差があります。 犬は人間の30倍の大きさの嗅上皮を持っており、においの受容体の種類は約2倍あります。さらに、人にはない「鼻鏡」という鼻先の構造が空気を効率よく取り込むのを助けているため、犬の嗅覚は人間よりはるかに優れています。 こうした嗅覚の仕組みがあるからこそ、犬は私たちが気づかない体の変化を、匂いという「化...